2008年04月08日

ロボと少女

robot&girl.jpg
習作というかオマージュというか。
以前「メカの類は描けない」と書いたので、練習してみました。
思いっきりある方の影響を受けた絵です。

アナログ水彩で描く
  ↓
なんじゃこりゃ
  ↓
フォトショでコントラストやら明るさやらをいじくる
  ↓
ん、ちょっとイメージ通りになってきた!
デジタルって便利〜♪
ラベル:ホシ
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2008年04月16日

スーツさん

suitman.jpg

最近女の子ばかりなのでたまには男性を。
これは某掲示板に上げるために描いた絵です。
そこには、描いてもらいたい絵のお題がいくつも書かれています。
描き手側は好きなお題をチョイスして、描いて晒すのです。
ちなみにこの絵は、
「天才青年で腹黒、女顔、橙色の髪」
というリクエストで描きました。
なんかちゃんとお題を満たしたのは髪の色だけな気がしてきた。

継続は力なり、
絵を晒すことでモチベーションも上がるし、
いろんなテーマに挑戦することで勉強にもなると思う。
このお題お絵描きは許される限り続けていこうと思います。
ラベル:ホシ
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2008年05月05日

連作「祈り」:02 窓辺

窓辺

それはそれで よかったんだ
息の無い場所で響いてる

窓にしがみつく僕の声

(空気公団:「窓辺」より)
ラベル:祈り ノウノ
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2008年05月12日

ぐぐぐ軍服

Dwoman.jpg

例のお題お絵描きです。
独軍野戦憲兵のお姉さん、だそうです。
このお題見るまで野戦憲兵なんて知らなかった。
今見ると頭でかいなー。
どうやら頭をでかく描いてしまうクセがあるらしい。
ラベル:ホシ
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2008年06月05日

眠りの季節インクを飲む女

ink_.jpg

なんだっていいじゃないか。
ラベル:ノウノ
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2008年06月16日

砂漠を滑る

suna.jpg

お題お絵描きー。

刃のついたボードで砂ーフィン(サーフィン)する女の子。
相棒の砂のゴーレムがおこした砂の波に華麗に乗ってるところ。

てな感じのお題だったはず。
これは「面白い設定だなー」と思って、
自分の中で勝手に設定やら妄想やらが膨らんだなぁ。
(もしかしてなんか元ネタみたいなのがあるのかしら?)
でもそれに全然自分の表現が追いつかなくて
悔しい気持ちになった一枚でもあり。
もっと絵の練習して再挑戦したいなぁ。

気付けば6月ももう半ば。
久しぶりに運動したら地獄の筋肉痛で段差が怖い。
ラベル:ホシ
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2008年06月17日

占い

今日のO座の運勢はむらさき
ラッキーカラーは第1位
血液型はさそり型
ラベル:ノウノ
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2008年07月01日

死神兄さん

死神兄さん.png
自分の言葉は弱いなあとつくづく思う。
いろいろ考えを張り巡らせてみても、それを言葉で出力するのは難しい。
だから文章を、特に小説なんかを書ける人って凄いなぁと思う。
今も、そしてこれからも自分には到底できない気がする。
文章で出力できないかわりに、
自分が持った世界観を絵で出力できるようになりたいな。

さて、昨日6月30日は、アイン・シュタインが
相対性理論の論文を出した日だそうな(間違ってるかも)。
実は先週、興味が湧いて相対性理論の本を買って
今現在読んだりしてるんですが、これはなんたる偶然。

昔、家族で旅行に行った際、深夜にアニメ専用チャンネルを
見ていると、古いロボットもののアニメがやってました。
なんだか小難しくて当時の自分には良くわからなかったのですが、
女の子がロボットに乗って宇宙で戦っているアニメでした。
こうして戦っている間にも、
地球では何十年、何百年という時が過ぎていて、
もう自分を知っている人も、愛する人もいない。
…みたいな感じだった気がする。
兄姉3人でなかよく見入ってしまって、
その壮大な感じや、せつない感じが今でも残っています。

今思えばあれも相対性理論に基づくものだったんだなぁ。
あのアニメは結局なんていうアニメだったんだろう。
気になるなぁ。

何が言いたかったかっていうと、
相対性理論にはロマンがあふれていると思った、ということ。
ラベル:ホシ
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2008年08月04日

青から赤へ

 二十一歳の夏、ある少年に出会った。今思えばその少年のスイングは、僕の未来さえ変えてしまったのかもしれない。とても些細な出来事だったけれど、未来を変える力に満ちていて、鮮やかで、無垢だった。暑い暑い日が続く、夏の夕方の出来事だった。

 雄一は河原から見渡す広い空が好きな子供だった。ドームのように取り囲む、球体の空。練習が終わった後は、空をじっと眺めている。そんな彼を周りの友人は笑うのだった。

 それでも雄一はチームメイトからは一目置かれていた。パワーがあるわけではないが、雄一にはボールを引き付けて、正確に捉える不思議な力があった。
 僕はその夏、自治体の経営する少年野球チームの監督を親戚のつてで任されていた。
 肩を壊した若い投手の、寂しい暇つぶしだ。

 少年野球の練習時間は長い。小学生の下校時刻から日が暮れ前の六時まで、子供達は汗だくになり白球を追いかけながら過ごす。時折親から「体力づくりのため」と入団させられた子供を除いて、皆野球が大好きと言うだけで一日中動いていられるのだ。

 もっとも、無理に入らされた子供にも、楽な練習を与えていると「遊び」としての野球にのめり込んで行くようだった。要するに僕は真面目な監督ではなかった。少年野球は遊びでよいと思っている。仲間と身体を動かすことが楽しくあればいい。僕も遊びでよい。
 それでも、精神的に未熟で自律して練習の出来ない子供達に対して、すべて一人で指導する立場は、消して楽なものではなかった。ただ肉体的には、身体を壊したことは関係ないくらい、なんでもないことだった。

 僕は淡々とコーチングを続けていた。



 チームの中でひとり、非凡な選手がいた。4年生の雄一という少年だ。野球というものは経験が大きくものを言うスポーツであり、それまで経験が無かったにも関わらず、雄一には守備にもバッティングにも不思議な適正があった。難しいコースの球を真芯で捉える。
 決して身体の大きい子ではなかったが、飛距離は同学年の子と比べ群を抜いていた。

 ただ時折、練習の最中に空を見上げることがあった。愛でている小さい動物を見る時の様な、熱心な視線で空を見ている。僕がこの子ぐらいの年には、空になんて興味がなかったけれど。怒る意味でなく、何をそんなに見ているんだと一度聞いてみたことがある。そうしたら、雄一は、
「空が青から、赤に変わっていくのが見えるよ。」
と答えた。

 子供の楽しい時間の中では、練習が終わるまでの約三時間が一まとめにみえるのかもしれない。雄一の目の中には、一度にそれくらいのものが詰まるのかもしれない。それもおかしくはない。
 そう思わせる目があった。澄んだ、色の薄い目だった。

 ある日の練習後、皆が後片付けをしてかえった後で、雄一だけがユニフォームのままぼんやりとしたようにグラウンドに立っていた。視線の先を追うと、河原から見える町の向こうに夕日が沈んでいくのが見えた。

 空は向こう側に赤く広がり、その反対側には夜の青さがにじみ始めている。西日に照らされた雲の羽の先は細く、どこまでも細く……。そして、青と赤の狭間へ。その間には白も黒も、黄色も隠れている。
「雲が流れている。」
と雄一は言った。何をしているんだ、帰らないのか、と聞くと、
「今日は家に誰もいないんです。」
と答えた。監督と選手いう立場と、若い男と少年という気軽な間柄の、敬語を時々使うくらいの微妙な距離感が見え隠れする。



 僕は雄一と座って話をした。少年野球に協力的でない親は珍しくないが、僕は雄一の両親を見たことが無かった。思えば、練習を観に来たことも、たまに行われる試合を観に来たこともない。聞いてみると、ふたり共仕事が遅くまであり、帰ってこない日もあるそうである。いつもはそれでも、祖母もいる家に戻るらしい。

「今日はばあちゃんも老人会の旅行で、うちにいないから。」
雲を見ながら雄一は言う。目線は動くことが無い。ひょっとして、家に一人でいるときもそんな目をして何かを見ているのかもしれない。一体何を見ているのだろう。たった一人のときもあるだろう。遊べる子もいない時、今みたいにじっと何かを見ているのだろうか。
 雄一の強さは、「集中力」だ。だがそれは単に、「他に何も無い」だけなのかもしれない。
 不意に言葉が、自然に口から零れていた。
「お前は伸びるよ。」
野球以外になにもないから、と言いかけて、やめた。でも、空っぽだから、きっと全て
吸い尽くしてしまうのだ。その透明な目で、不思議そうにこちらをみていた。いいんだよ、お前は、なにもなくて。

 バッティング練習をしよう、と僕は提案した。先生が投げてやるから。雄一は少し怪訝そうな顔をしたが、素直に打席に向かった。僕はボールの一杯に入った籠を持ってマウンドに向かう。

 一球を投げた。外角への一球。加減はしたが、小学生には些か速い球だ。雄一は盛大に空振りをした。雄一は笑っている。いいぞ。二球目を投げる。また空振りした。さっきよりタイミングがいい。
 今度はフォークを投げた。我ながら大人気ない。空振りと共にふたりに笑みが出る。雄一はキャッキャと笑っている。それでいい。次はストレートと宣言し、振りかぶる。

――キィィィィン

 当たった。
 フワリと打ちあがって、ファールラインを越えて行く。雄一はバットを取りこぼしていた。驚いた。まさかもう当てるなんて。
球威が強すぎたのだろう。しかし小学生のスイングスピードで、よく捉えたものだ。目で見えても追いつかない筈なのに、タイミングよく自然にバットを運んでいる。僕は嬉しくなった。
「ビリビリします。」
その感覚、いいだろ?いずれ綺麗に運べるようになる。

 もう一球、真直ぐな球。空はもう暗くなりかけている。それでも少年の目は鋭い。
 今度は内角に、投げた。

――キイィィィン

 今度は飛んだ。空気を切り裂いてセンター方向に飛んでいく。ヒット性の当たりだ。僕はボールを追って空を見上げた。その時雄一の言った言葉の意味が分かるような気がした。

 空は広く……どこまでも広く……。でも、全て見えるような気がした。暗くて、色鮮やかで。空が動いていることが、分かるような気がする。ヒットの音ともに時間が切り取られて、その場面場面が積み重なって、青から赤へ。
 確かな、鮮やかな世界が構成されていく。

 この少年も同じ景色を見ているのだろうか。雄一は笑って空を見つめていた。――いや、この子はもっともっと広い、深い世界を見ているのかもしれない。
 少年はたちまち僕らの背を飛び越えて、遠くへ羽ばたいて行ってしまうだろう。
 でも、それでいいのだ。

 僕は雄一を車に乗せて、彼の家まで送った。雄一は窓の外の景色をずっと眺めていたが、やがて眠ってしまった。窓の外にはもう闇が来ている。でも、だいじょうぶさ。
 君と言う男は、強い。

 闇が車の外から、雄一をじっと見ている。僕は少しでも彼らの光になれるだろうか。闇の向こうの静かな世界を見つめながら、僕はそう思った。


ラベル:ノウノ
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2008年08月12日

99%の失敗

「霊的なキーボードを開発したんだ。」
「霊的?どういうことですか。」

 助手のユキエは湯気の立つコーヒーカップを傾けながら、怪訝そうにこちらを見た。ぼさぼさの髪に、底の厚い眼鏡。
 馬鹿みたいに暑い日にガンガンにクーラーを効かせ、煮えたようなコーヒーを飲んで汗をかき、上着を脱いでキャミソール姿になっている。不合理な女だ。胸ばかり大きくて、頭の悪い数多い女のうちのひとりであるが、助手の業務はそつなくこなしていた。
 私は構わず続けた。

「キーボードは不便な粗悪品である。」
「ほう。言いますねぇ。」
「そもそもキーボードは何のために出来たか分かるか?」
「筆記の手間を省くためですよね。簡略化できているじゃないですか。キーを押せば、文字が出る。」
「なぜわざわざキーを押さなくてはならないんだ?」
「ほう。」

 キーボードは不便である。英数字の位置、記号の位置、かなを使うならかなの配置、ファンクションキー、無数にあるショートカットキー、シフトキーとの組み合わせ、何よりタイピングソフトなどである程度の訓練をしないと高速に使いこなせるようにはならないと言う事実。これが不便でなくて何と言うのか。
 コンピュータが阿吽の呼吸で動くようになれば、それはもうツールではない。人間の拡大された頭脳の一部といえる。

「なるほど、確かに……。」
「そこで出来たのがこのキーボードだ。霊的と言うよりは、精神に感応するといったほうが正しいかな。この手形のエリアに手を置くと、手から発せられる微妙な電流で持ち手の心を読みリアクションする。それに、この機械は一瞬で心を読み取って長文を出力することも可能だから、今までにあった入力の手間も大幅に短縮されるだろう。」
「素晴らしい目の付け所ですわ!人間の文化活動に革命が起きます!」
「論より証拠だ。早速運転を行おう。」

 私は感応機とコンピュータを接続し、センサーにゆっくりと手を当てた。すると、忽ち画面に文字が現れた。

『セックス』

「…………」
 画面いっぱいに現れた文字を前にして、気まずい沈黙が流れた。
「……ちょ、調子が悪いようだ。もう一回。」

『Fカップ』

「…………」
「…………」
 思わず一瞬ユキエの胸を見た。その時ユキエと目が合ってすぐに私は下を向いた。片付けられなかった犬の糞を見るような冷たい目だった。間近にあるユキエの胸によって、どうも私の精神は低迷しているらしい。
「ど、どうもおかしいなぁ。でもこの研究は正しいんだよ。ユキエ君、代わりに入力してみてくれ。」

 ユキエは無言でセンサーに手を置いた。その瞬間ディスプレイいっぱいに文字が流れ始めた。

『滑稽だ。この男はどうやら私を性的欲求の対象として眺めているらしいが、それにしても"セックス"、"Fカップ"とはなんと単純、幼稚な言語体系、貧弱な語彙力であろうか。恐らくこの男には幼少時に性的関心を強く抑圧された、或いは同年代の異性に強い拒絶を受けた反動から学術に没頭するようになり、知能は向上したものの性的な経験は極度に未熟で、また興味はあるのだが反面強い恐怖により消極的な態度を取っているのだろう。また、他人と交わる恐怖から知らず知らずのうちに、心を読むという研究を始めたことが推測できる。その未熟さには一片の憐れみを覚えるが、その歪な精神は客観的に見ても個人的な見地からしても「キモイ」と言わざるを……』

 この実験で、私の人生に対するスタンスが殆ど失敗であることが証明された。

(証明終わり)
ラベル:ノウノ
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2008年08月18日

全国高校野球選手権地方大会第二回戦 大北商業 対 ゾンビ高校

 高野連の役員は目を丸くした。
「だってアンタん所の学生、全員死んでるじゃないか」
 ゾンビ高校野球部の監督、シュタイナー博士は断固として抗議した。
「違うよ。全員ところどころ打撲してるくらいだよ。死んではない」
「いや、全員打撲もまずいだろう」
「全員痛み止めを打つから大丈夫だよ」
 痛みは感じないから、打つ必要は全くないのだが。そういう不毛なやり取りをしたことが、ずいぶん前のことのように感じる。シュタイナーは万感の思いで県指定の地方球場を見渡した。
 しかも、1回戦を突破するとは。相手投手は恐怖の余り震えていた。尤もどういうわけか、試合前から青い顔をして歯をガチガチと鳴らしていたが。きっとメンタルの弱い投手だったのだろう。
 試合は押し出しのフォアボールでコールド勝ち。勝ちは勝ちだ。すべて実力だ。
 一回戦で全ての高校の半分が消えるトーナメント形式で一回戦を突破したということは、全ての高校の半分を超えたと言ってもいい。シュタイナーも監督として鼻が高かった。

 ともあれ、本当の戦いはここからだとシュタイナーは考えていた。今回の相手は震えてくれそうに無い。一昨年は予選で準優勝だった大北商業高校。去年は世代交代による戦力の低下であえなく緒戦敗退したが、今年はきっちりと育てて来たに違いない。ビデオで見た限りでは博士にはそう推測できた。

 選手がアップを済ませて帰って来た。尤も全員体は冷たいままだが。生き生きとした顔をしているとはお世辞にもいえないナイン達。シュタイナーはみんなを集めてにこやかに言った。
「ハイ。今日は皆、いいデータが残せるよう頑張ってね」
 そうこうして試合が始まった。
 整列の時に、大北商の選手はヘラヘラとゾンビ高校の選手とシュタイナーを見ていた。怖がらない奴らは、たいてい哀れむか見下してかかってくる。救えない餓鬼共だ、とシュタイナーは思う。

 勝算が無いわけではなかった。全員トレーニングはしたし肉体改造もした(ここだけの話、甲子園にはドーピング検査がないのだ)。選手は皆従順で、緑色の血を吐くまで訓練を行ったし、打撲もよくした。
 ただ、向上心は皆無だったが。ゾンビは夢を見たりしない。彼らもまた救えないのだ。科学者の馬鹿馬鹿しい夢の中で彼らは守備位置に就く。統制の取れた美しい構えだ。姿勢の悪いゾンビなんて作らない。
 ところで灼けるような日差しの中で、彼らは本当に熔けてしまうのではないかと博士は思った。

 一回表の守備が始まる。バッテリーはきっちり噛み合っていた。大北の選手の癖は全てふたりに叩き込んだ。彼らの思考には淀みなかった。心が無いわけではない。学習の精度は人間並みだ。ただ丁寧に教えた。一番打者をサードゴロ、二番をレフトフライに打ち取る。悪くない。球の伸びもいい。大北は不思議がるだろう。結局その回は、三者凡退に抑える、好調な滑り出しだった。
 攻撃が始まる。一番の検体No.493に声を掛ける。
「ストレートに絞りなさい。なるべく追い込まれてはいけませんよ」
 相手投手のシンカーとスライダーに対応できるかやや不安があった。短い練習期間で全て対策はできない。素直なストレートに狙いを定めたほうがいい。決め球まで持っていかれるのは得策ではない。
 一球目はスライダー。やや狙いが定まらないのか、外にはずれてボール。体制が整っていないなら、素早く仕掛けるべきだが。さて。
 ふと、ゾンビ高校吹奏楽団が奏でる応援歌が聞こえてきて、シュタイナーは憂鬱になった。

  ゾ・ン・高♪ ゾ・ン・高♪

 ふざけているのか。死霊の盆踊りに近いものがある。大体ゾンビ高校と言う名前もふざけている。何もかももふざけている。理事長は政府にパイプのある喰えないヨボヨボ爺だ。二球目。ストレートを引っ掛けて、打球はファールラインを割った。目は追いついている。


 彼らは全員、一度自殺したもの、および自らゾンビになると志願した若者達だ。前いた野球部で虐めに遭い自殺したもの、事故死したもの、あるいは重度の精神疾患に陥ったもの。その中で肉親の許可を得て蘇生させるプロジェクトがゾンビ高校設立の目的だった。
 労働者になれなかった、あるいはなる見込みの無いものへの再生処置である。彼らは自立を要求されている。国内の産業を立て直す為である。

 No.493のバットがうなる。ボールを正確に叩いた。No.483は最もフォームの綺麗な検体だった。ボールは左右間にストリと落ちた。ヒットだ。
 応援歌はリフレインの部分に差し掛かっている。リフレインって本当に学校の応援歌か?引き抜きの元研究者のシュタイナーにはよくわからなかった。

   ワンダーランド
   ワンダーランド
   ワンダーランド
   ワンダーランド
   ワンダーランド
   ワンダーランド

 くだらない。
 だが、勝たせてやりたい。
 ナインは全員、以前野球をやっていた検体から選出された。命は終わっても、経験と記憶は引き継がれている。彼らはひた向きだった。肉体や心に痛みを感じないからだ。かつて起こったことに対して、彼らが再び死なないようにする対処だった。喜びや愉悦はあるだろう。ただ、痛みや悲しみの無い世界でのそれらは、全く違う意味を持つに違いない。彼らは厳しさにも、悪意にさえも淡々と、水の中を生きるさかなのようにすうっと泳いでいく。ふたたびその心臓が停まるまで。
 傷つけられても、怯まない心。平穏な心。かつてケンジ・ミヤザワという気弱で心優しき青年が目指したような。臆病な世界だ。その中に彼らは住んでいる。
 生きている間に好きだった野球をやるより、ずっと死にたかった少年達がひた向きに野球をしている。18.4m先から130km/hで到達するボールを捉える感覚を再び味わっている。投げる感覚を。捕る感覚を。もしも勝った時、その心で何を思うのかが知りたかった。そこに勝利はあるのか。そこに闘いはあるのか。希望でないことは確かだった。でも必ず他の何かがある。それが知りたかった。
 シュタイナーはベンチに座っていた選手達を見た。みなじっとマウンドを見つめている。濁った目で真直ぐにただ見つめている。
 もし甲子園に行って負けたとき、彼らは甲子園の砂を持って帰るだろうか。

 相手投手のシンカーがストライクゾーンを抉る。いいボールだ。彼等もまた生きている。
 スポーツの語源はdisport、「気晴らし」である。それでも生きることと同じくらい全力だった。懸命だった。人間の活動とはそういうものだ。束の間のスポーツ。

 胸の前で十字を切ってから、筋違いであることに気付いてシュタイナーは苦笑した。誰も助けてはくれない。
 ついうっかりしたが十字はヒットエンドランのサインだった。投球と同時に、No.483は全速力で駆け出していた。やや慌てたが、それでいいとも思った。
 バットの快音が地方球場に木霊した。土煙が上がる。
 走れ、ゾンビ達よ。心臓を停めるほど。
posted by ノウノ at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 落書き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月08日

アーチャー

archer.jpg

神様・森本晃司氏の絵の構図と弓を拝借して、
自分流にファンタジー絵に。
元絵はもっとSFチックです。
ラベル:ホシ
posted by ホシ at 14:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 落書き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月25日

習作1(一部)

スキャナに入りきらないので一部のみ

習作1

誰かと触れ合うたびに孤独が深まるのを感じる
ラベル:アクリル ノウノ
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2008年09月28日

ポケモンのこと

久しぶりに会った後輩が、ポケモンをやっていた。
新しいプラチナではなくて、ルビーやサファイアの代らしい。
ポケモンがどうなっているか少し話を聞いてみた。

後輩はその中で、○○ゴイだか○○ブリだかの魚ポケモンの卵をせっせと育てているらしい。
今調べたらヒンバスという名前だった。多すぎてちょっとクラクラした。(モーニング娘が誰が誰だか分からなくなったことを思い出した。)

何でも8000分の1くらいの確率で色違いが生まれるらしい。
後輩はその色違いのポケモンが目的で、ヒンバスを牧場に入れてゲーム内の時間の経過のためにひたすら町を行ったりきたりしていた。
無限に行ったりきたりしていた。
30分に数個くらい生まれるらしい。
まだ生まれてないらしい。

ポケモンの一覧は、その魚だらけになっていた。
おそらく今後8000匹くらい貯まるのだろう。
業者か。

けっこう大勢がその「色違い」の為にその作業をするらしい。
やがて飼えなくなったポケモンが湖や海に放流され、生態系を破壊したりするのだろうか。
サファリパークに売ったりするのかもしれない。
リアル志向を離れて大成功したポケモンのようなゲームでも、やはり進化して現実に近づく要素はあるのだ、としみじみした。
ラベル:日常 ノウノ
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2008年09月30日

連作「祈り」:03 水面(一部)

minamo0001.jpg

どこまでも、揺らぎは消えない
ラベル:ノウノ 祈り
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2008年10月09日

夢日記、飛び降りの崖

 長野に一人で来ていた。


 自殺の名所で、高い高い崖だった。
 遥か下には、遠すぎて白い海と険しい岩場が広がっている。
 崖も岩も海も雲も、巨大で鮮明だった。


 一人の青年が飛び降りた。青年は5〜7秒かけてゆっくり小さくなりながら落ちていったが、僕は途中で目を逸らしてしまった。最後まで見ることが出来なかったのだ。多分岩にふっと張り付くようにして死んでしまったのだろう。目を凝らせばよく見えそうだったが、そんな気にはどうしてもなれなかった。
 自分も飛び込まなくてはならないのだが(なぜか分からないが飛び降りなければならなかった)、僕は躊躇っていた。凄く恐ろしかった。最後に誰かにメールしようと、高校時代の友人のYにメールをした。


 すごくそっけない答えが帰ってきた。


 頭にきて、自殺は取りやめにした。恐ろしくて飛び降りる気もなくなっていた。だが他にやることがなかったし、他に予定も無かった。とりあえずしばらくこの辺りにいると風の強い崖の上から母親に連絡した。


 母からもすごくそっけない答えが帰ってきた。


 まあいいや、という気分で、しかしとにかく手持ち無沙汰で、町を車で見る。 

 本当に何もすることがない……。

 湖水の上に浮かぶ小さな公園を見る。進んでいると市街地に入ってきたので、暇つぶしにファッションビルに入ってみた。
 慣れない女性の服や化粧品の売り場を抜けて最上階に着くと、英会話教室がある。そこで友人のYに会った。このビルで働いているらしい。英会話の先生は小説家でもあり、Yは先生の書生や出版に関わる雑務をこなして給金を貰っているそうだ。

僕もそこで厄介になることになった。

 僕は先生の部屋でアーティストのビデオを見た。僕の知っている作家の作ったビデオ。紫色の蝋細工が踊っていた。密林のように幾層にも貼られたユーモラスな蝋細工の中に、カメラが入り込んでいく。

 英会話の先生の授業を受けることになる。
 ファッションビルの最上階は薄暗い部屋が集まっていた。プロジェクターの光だけが煌々と明るい。先生によると、自信がなくてもいいからとにかく叫ぶといいのだそうだ。生徒達は例文を叫ぶような勢いで復唱している。軍隊か。自信がないことばも、大きな声ではっきり言うといいのです、と先生は言う。
 そうかもしれない。

 僕達の仕事場は、薄暗い部屋と青白い卓上灯の置かれた小さなデスク。もう一人今日から働く新しい職員を紹介された。
 太陽の位置を観測する少女だった。球体の観測機に、現在の太陽の位置をポイントする。彼女は窓際で作業し、Yもまたなにやら忙しそうに作業をしていた。
 希望はあった。多分しばらくここで暮らすのだろうと思う。

 そこで目が覚めた。

 ひどくさみしかったが、不思議と少し楽しい夢だった。
ラベル:夢日記 ノウノ
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2008年10月10日

さむい(一部)

さむい

さむい 少し楽しい
ずっと前から
ラベル:ノウノ アクリル
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2008年10月11日

隻眼の兵

隻眼の兵士.jpg

只今絶賛迷走中。
落書きに色塗って茶を濁す。


以前「崖の上のポニョ」のオススメ記事を書きましたが、
僕の陳腐な解釈と感想など書き連ねてもくだらんと思って
ごくごく簡潔な感想だけを書きました。
代わりといっては何ですが、面白い感想を紹介したいと思います。
いずれもネタバレ有りなので未見の方は注意をば。

あきまん氏の「akiman's blog」内の感想記事
2008年8月25日崖の上のポニョ感想文

2ちゃんねるのまとめサイト「ハムスター速報2ろぐ」内の感想記事
崖の上のポニョが神過ぎた件
(長文ですが一読の価値有り)
ラベル:ホシ
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2008年10月14日

夢日記、ホシ君と猫


 部屋を出ると、台所でホシ君が5匹の猫に食べ物をあげていた。
 ホシ君は、照れくさそうな顔でいう。
「見つかっちゃいましたか」
 いい人っぽい。

 5匹の猫には、仔猫も混じっているようだ。一家のようで、常に適度な距離で離れずに行動している。
 ホシ君は猫を家猫にする気はないが、時々猫にエサをやりたいらしい。

 全く関係ないのだが、その時から段々体が軽くなり始めていた。
 色々している間にどんどん軽くなり、体が微妙に浮くくらいになってしまう。

 夢の中で、自分にもどうにもならない異常な状態になったとき、普通は凄く焦るはずなのに、その時は「浮いとるな……」と思う程度だった。
 外に出た仔猫を撫でようとしながら、浮いてしまい手が届かずに、
「うわ……届かん……。浮くのはめんどいな……」
 と思ってイライラしていた。


 そこで目が覚めた。


 浮くのは煩わしいです。
ラベル:ノウノ 夢日記
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2008年10月19日

夢日記:うんこ


夢の中で、
友人に『「うんこ」のイントネーションってどうだっけ?』と聴かれた。

僕は前にアクセントをつけて
『そりゃ「うんこ」でしょ「うんこ」』
と言ったら、現実に「うんこ」と言っていた。かなりでかい声で。
自分でもはっきりと聞こえた。正しいアクセントの「うんこ」である。

「うんこ」と言いながら目を覚ましたわけだ。
よく晴れた朝だった。さわやかな風が吹いていた。
ラベル:ノウノ 夢日記
posted by ノウノ at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 落書き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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