これがなかなかすごい。
小さなの女の子が描いたような話なのだ。
もちろん、絵の方はしっかりきれいに可愛く描いてあるのだが。
同じ会社から出ているキャラクター本「こげぱん」、「たれぱんだ」、「リラックマ」だとかは、必ずどこかに毒を忍ばせている。こげぱんとたれぱんだは分かりやすくネガティブパワーを持っているし、リラックマは背中にチャックがあったりなどミステリアスさを持っている。むしろ、そういう部分を売りにして人気を博している節がある。
対して、靴下にゃんこは靴下を履いているだけである。
それも白い普通のちいさな靴下で、ミステリアスさと言うよりも、純粋なチャームポイントというだけで、性格的にも出生的にも一切の毒を持っていないのだ。
本の中でも一切毒のない、迷子になるだとか病院に行くだとかの世界観が展開されている。純粋なかわいさ勝負。というより、作者の人が純粋にそういう話を選んで描いているように思える。スタンドで言ったら近距離パワー型である。
キャラクターものにおいても、案外こういう物語はすくないのではないか。
というより、そのポジションにはミッキーさんだとかキティさんだとか、もう大御所が陣取っておられて入り込む余地が無いからである。その辺りの隙間をうまく探して地位を確立したのが「こけぱん」であったり「リラックマ」であるのかもしれない。差別化というやつだ。
だが靴下にゃんこは可愛さの真っ向勝負を挑んできている。
「本当に毒はないのだろうか」と思って全部立ち読んでしまった。
そして今、ちょっと買おうかどうか迷っている。
パワー負けである。
ラベル:ノウノ